グッと身近に来る日本史

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著書紹介『大学生のための動画制作入門』ができるまで

 今回は歴史を離れ、私の著書『大学生のための動画制作入門』のご紹介をさせていただきます。

 

 

 「この内容はおまえの制作ラインと違うじゃないか」と思われる方も多いと思いますが、実は私、NPO活動をする中で、映像産業の方に接する機会が多く、本書はそうしたおつきあいの中から生まれたものです。

 

 今や映像制作は特定のプロだけが手がけるものではなく、一般の方でも撮影、編集して作品を作る時代となりました。 

 

 しかし、その制作ノウハウはベールに包まれたままで、とくに自分が言いたいことを映像で表現する技術は全くと言っていいほど、わからないのではないでしょうか。

 

 自分自身、かつてNPO活動の一環として映像制作をやってみて、そのことを実感しました。私は雑誌社の出身ですから、企画を立て、取材をし、記事にまとめるという作業を通常やってきたにもかかわらず、です。

 

 これは単に撮影や編集面での小手先のテクニックというレベルではない、何か映像制作ならではの本質的なノウハウがあるはずだと思い、それを明らかにするための一般向けテキスト制作をやらなければと思ったのが、事の始まりでした。

 

 それで、NHKの方に相談したら、「学生対象に映像制作サークルを主宰している(当時)」というTBSの黒岩亜純氏を紹介されて、意気投合。時間はかかりましたが、今回、このような本ができあがりました。

 

  今回、最終的に本にする局面では、慶應義塾大学法学部の大石裕教授のゼミ生有志の皆さんにお手伝いしてもらいました。

 

 「一を聞いて十を知る」と言っては大げさながら、三ぐらいは確実にわかってもらえる優秀な学生さんたちに、模擬演習をこなしてもらったり、写真のモデルをしてもらったり、テキスト全体を読んでわかりにくい箇所を指摘してもらったりして、内容を充実させることができました。

 

 中には、学生ならではのユニークな質問もあって、こちらがどう説明しようかと頭を悩ませたこともありました。

 

 その都度、ロシアにいる黒岩氏(作業当時、TBSモスクワ支局長)から国際電話が入り、江戸時代にどっぷり浸かっていた私の頭が現代に引き戻されて、「これ、どうやって説明したらいいんだろうね」とふたりでうんうん唸っていたことが、思い出されます。 

 

 ただ、ふたりともそれで内容面のレベルを下げるといったことは全く考えずに、いかにしてやさしい表現にしてわかってもらうかだけを考えて検討しました。

 

 とくに、執筆を担当した私は、「内容はプロレベル、文章表現は中学生レベル」を念頭に置いていました。

 

 発行が慶應義塾大学(出版会)なので、「非常に難解な本なのでは」と懸念される方も多いかと思いますが、「内容はプロレベル、文章表現は中学生レベル」ですので、ぜひ気軽に手に取って読んでみてください。

 

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「内容はプロレベル、文章表現は中学生レベル」ですので、お茶でも飲みながら気軽に読んでみてください。(photo by PAKUTASO,モデル:河村友歌)